2017-12-22 北野裕久博士のことば 「租税法学に関心を持ってからほぼ30年になろうとしている。30年前の頃はむろん日本の租税法学はかげもかたちもなかった。当時、私が一番驚いたのは、日本の税制や税務行政が憲法秩序と無関係に構築されている点であった。加えて雑多な方法に基づく税制論や税務行政も憲法論・人権論と無関係に展開されていた。これは、ある意味ではおそろしいことのように若かった私にはおもわれたのであった。」北野裕久博士のことば(三省堂「憲法と税財政」(1983)) 北野先生は納税者の権利論を展開した稀有な税財政法学者。